住宅ローンを背負う恐ろしさ
誰もが一度はマイホームを夢見るのではないでしょうか?
【家賃はお金を捨てているようなものだから家を買ったほうがいい】とか【家を持ってからこそ一人前】とか言う方もいらっしゃいますよね。
でも、住宅は気軽に購入してはいけないという事を、いざ購入する事になってから実感しました。
35年ローンを組んだら、住宅の為のお金の返済が繰り上げ返済しない限りは35年間ず~っと続くわけです。
人生何があるかわかりません。
35年間余裕で払い続けられる保証なんてどこにもありません。
35年間住んでいる住宅そのものだって、何があるかわかりません。
そのリスクがリアルに書かれている本に出会いましたので、今回は住宅ローンを組む事によるリスクの話をお伝えします。
私は賃貸派だからと言って、住宅購入を否定するつもりは全くありません。
持ち家のメリットも沢山ありますよね。
安易に住宅購入をしないように、考えて頂けるきっかけになれば幸いです。
割高な中古物件に苦しめられる
ニュータウンは黄昏れて という垣谷 美雨さんの書籍を読みました。
この話は、郊外のニュータウンに住む家庭の厳しい状況がリアルに書かれています。
その家庭は下記のように苦しめられています。
■住宅購入したタイミングはバブルがはじける直前
■新築は抽選で購入できなかった
■そのため築15年5200万円で購入 リフォームして住むことに
■場所は郊外のニュータウンで郊外の駅からバスで5分 駅から徒歩25分と不便
■電車で数十分と聞いていたのに、通勤・通学時間は1時間以上かかる不便な立地
■金利約7% 借り替えの相談をしても銀行が応じてくれない
■エレベーターなし
■住民が高齢化
■価格が大幅に下落しているので、売却も出来ない
こんな悲惨な事ってあるの~??と思ってしまいましたが、なんと最後のあとがきでは実際著者がこのような物件を購入されたと書かれていましたのでリアル。
この本の主人公の家庭では住宅ローンに苦しめられていたのですが、著者ご自身の家庭は共働きで見栄を一切張らず節約していたので十数年で完済されたそうです。
住宅ローンがあると気軽に引っ越せない
購入した物件の条件も悪かったのですが、この主人公家族の悲惨なところは、住宅購入後にバブルがはじけてしまったから物件価値が一気に下がってしまった故に何があっても引っ越せない状況になってしまっている事です。
夫は遠くて大変でも往復の長時間の通勤で毎日会社に通い、子どもも子どもで不便な場所から通学しなくてはいけません。
それだけでも十分悲劇なのに、長女が大学在学中に夫の会社が買収され給料が激減してしまいます。
売却するどころか、住宅ローン返済もままならないという悲しい状況に陥ってしまうのです。
長女は長女で、美大を出てしまったので活かした企業に就職も出来ず(おまけに内定をもらった会社が入社直前に倒産)、フリーターをしながら奨学金返済までしているという貧困に陥っています。
長男は難関大学を出て、奨学金なしで自立したそうですが、兄妹も差でも気の毒に思える内容でした。
住宅ローンを安易に組んではいけなかった原因
この本を読むと安易に住宅ローンを組むものではないなと改めて思います。
今は金利は低いものの、この本の主人公夫婦の年代よりも終身雇用や一生安泰はもっと厳しいものになっているのです。
住宅ローンを安易に組んではいけなかったこの家族の原因は下記の事ではないでしょうか。
①給料が上がり続けるという勘違い
②不動産の知識不足
③スキルが定年まで通用するという勘違い
④安易に美大に行かせる見通しの甘さ
ちなみに我が家では、体育系・美術系・音楽系・文学系の大学進学は反対です。
全国トップクラスの実力があれば行かせますが、私の周りにはこれらの分野を卒業した人で、高い学費に見合う活躍をしている人は1人もいません。
食べていける自立した大人に育てる為にも、多少の進路の制限は必要だと思っています。
③は夫のスキルでは買収後の会社のお荷物になっていたからです。
(買収前は部長職で部下に仕事をさせていただけだったっぽい)
気の毒ですがその時代のスキルが身についていないのであれば、大幅減給されるのは当然だと思います。
家族内だけでもかなり深刻な状況にも関わらず、理事会では建て替えや修繕で揉めていて逃げ出したくなるような内容となっていました。
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